第5回ワークショップ
「国際的業務展開のためのジオデモグラフィックス」
~地域人口統計の各種業務への応用~
<主催> 株式会社アイコンズ
<後援>(財)日本統計協会・(財)統計情報研究開発センター
<開催の主旨>
(独)国際協力機構(JICA)など国際援助機関の業務や企業の国際的事業の実施に当たっては、それらの業務計画の有効な立案策定や業務の効果的な実施のために、対象国や対象地域ばかりでなく、関連国や関連地域の統計データを利用したり、それらのデータの分析をしたりする機会が多くなっています。また、必要なデータが得られない場合には、それらデータの収集・加工・作成を行うこともしばしばです。
1990年代からJICAなど国際援助機関の委託業務を主に実施している弊社は、その実施に際して、対象国や関連国の人口センサス(日本の国勢調査に相当)を始めとする各種の既存統計データを広範に活用し、また、小規模な統計調査や社会調査を実施して新規データの収集・作成を行ってきました。2000年代に入ってからは、インドネシア、タンザニア、ミャンマー、カンボジアなど途上国の政府統計機関を対象とした人口センサスを主体とする各種統計調査の実施・結果の分析・利用・編集・提供に関する技術協力プロジェクトも実施してきました。
これらの経験を踏まえ、途上国に関する事業の展開や業務の実施を意図する事業体やNGOに所属の方々あるいは新たに国際的な業務に参加を意図する個人を対象に、下記のジオデモグラフィックスに関するワークショップを開催し、途上国の各種統計のデータ源の探索・把握や必要統計データの推計方法、これらデータを活用した人口・社会・経済・地域に関する分析の基礎手法、統計地図の作成(マッピング)の方法などを、それらの適用の仕方や応用例を含めて、参加者自身によるExcelやGISの無料ソフトを利用した演習を交えながら、紹介します。
<ジオデモグラフィックスとは>
ジオデモグラフィックス(Geodemographics)とは、1990年代後半から国際的に注目されるようになった地域と人口に関する統計的分析の方法で、主に人口センサス統計を利用して、人口や地域に関する各種の統計データの加工・推計ばかりでなく、人口学、経済地理学、都市地理学、社会学などの分野において開発されてきた理論やモデルを、政府における政策立案・計画策定・それらの実施、ならびに企業におけるマーケテイング・諸計画の策定・経営・営業その他に応用することを目的とする手法です。
途上国では社会経済統計の整備が不十分であるため、人口センサス統計は社会経済情報を把握するために不可欠でかつ最大のデータ源となっています。国連は、人口センサスの多面的な有用性に着目し、各国政府に1950年以降10年ごとに人口センサスを実施するよう勧告し、かつその実施のための資金的、技術的援助を行ってきたことから、2000年ラウンドには、世界の90%以上の国々で人口センサスが実施されています。一方、国連は、他の統計の整備にも支援していますが、途上国においては、その整備は不十分な状況にあります。目下、各国において、2010年ラウンド人口センサスが実施されており、それらの統計の利用も可能となってきていることから、ジオデモグラフィックスの適用には好機となっています。
特に、このワークショップは、JICAとのコンサルタント等契約による種々のプロジェクトにおける社会経済配慮、環境社会配慮、社会分析、社会経済分析、経済分析、都市計画、地域総合開発、ジェンダー分析、貧困分析などの業務に携わる方々には必須の知識や技法を提供するものです。
<ワークショップの講師>
大友 篤:理学博士、弊社常務取締役(総理府統計局・国連などの職員を経て、宇都宮大学 教授、日本女子大学教授などを歴任,専門分野:人口学・応用地理学・地域統計論)
早瀬保子:博士(学術)、弊社主任研究員(アジア経済研究所研究主幹、明海大学大学院講師などを歴任、専門分野:人口学)
鈴木春子:修士(社会学)、弊社主任研究員(労働科学研究所研究員などを歴任、専門分野:労働社会学、農村社会学)
*大友は、日本で初めてジオデモグラフィックスを紹介した地域人口分析の第一人者で、また、JICAのタンザニア、インドネシアなど政府統計技術協力プロジェクトでは、チーフ・アドバイザーを担当、早瀬、鈴木とともに、多大な業績を残したが、特にジオデモグラフィックス分野における貢献は大きい。
<開催日時とテーマ>
2012年2月29日(水):ジオデモグラフィックスの基礎手法 およびその応用(1)
10:00-12:00 *1 ジオデモグラフィックスの基礎手法 (地域・人口の概念地域統計、立地・地域特性の分析ガイド)(大友)
13:00-14:30 *2 ジオデモグラフィックスの基礎手法 (続き)(地域機能・地域間交流・地域構造・地域変動の分析ガイド)(大友)
14:45-16:45 *3 地域経済基盤分析の方法と応用(産業の適地選定等)(大友)
2012年3月1日(木):ジオデモグラフィックスの応用 (2)
10:00-12:00 *4 商業・教育・保健医療施設の適正配置の方法 (大友)
13:00-14:30 *5 施設の利用圏の画定と施設のパフォーマンスの予測 (大友)
14:45-16:45 *6 ジェンダー分析とジオデモグラフィックス(早瀬)
2012年3月2日(金):ジオデモグラフィックスの応用 (3)
10:00-12:00 *7 男女・年齢別人口の地域別将来推計の方法 (大友)
13:00-14:30 *8 貧困分析とジオデモグラフィックス (鈴木)
14:45-16:45 *9 ジオデモグラフィックスにおけるマッピングの適用 (大友)
<開催場所>
新宿区立新宿文化センター:東京都新宿区新宿6丁目14番1号
*東京メトロ副都心線 「東新宿」駅A2出口より徒歩7分 「新宿3丁目」駅E1出口から徒歩6分
*都営地下鉄新宿線 「新宿3丁目駅」C7出口から徒歩10分
*都営地下鉄大江戸線 「東新宿駅」A2出口より徒歩7分
<参加費用>
3日間:48,000円(税込)(1日のみの参加費用:18,000 円)
* *申込受付しだい、折り返し受講の可否および受講料の支払方法などについてのご案内をメールで差し上げます。
<募集人員>
15名
<申込期限>
2012年2月14日(火) 受付終了しました。
<申込要領>
以下の 要領でEメールまたはFAXでお申込み下さい。
記載事項:お名前、ご所属先・役職、連絡先電話番号、Eメールアドレス
ご希望参加日(2月29日、3月1日、3月2日)をご記入下さい。
申込先:株式会社アイコンズ 総務部 伊藤順子
FAX:03-3355-1075 TEL:03-5919-4130
Email: j-itou@icons.co.jp
<その他>
参加者は各自ノートPC (Excelソフトを搭載)をご持参下さい。