ビっと来ました。あのときの、あの「ひとこと」
「お前はあそこに出ている月と一緒でいつかは消えてしまう。」
南洋の島で活動をしていた時に、滞在先の村のある娘さんが、夕方になると友達を連れて毎日のように私のところにおしゃべりに来ていた。それを心配した娘の伯父からの一言。
「お前はあそこに出ている月と一緒でいつかは消えてしまう。姪を月まで連れてゆく気があるのか?」
私はその問いに対し、「心配しないで、その気だったら当の昔にロケット造り始めているよ。」と笑いながら話したが、いつもは大声で笑う小父さんはただ静かに頷づいていた。
国際協力に携わる者は、その村の持つ長い歴史の、「一瞬」にしかいられない。