ビっと来ました。あのときの、あの「ひとこと」
「ゆっくりでもいいんだよね。間違えてもやり直せばいいんだよね。自分たちでやっていけば。」
大洋州でのある国での医療分野の2年間の活動最終日に、カウンターパートが言った一言。
調査中、日本の援助にて導入する機材の運営維持管理体制について、提案を求められました。その際、「組織が継続的に学習する仕組み」について多くの文献、事例から情報を収集し、今までにない、画期的なアイデアを自信満々に行ったところ、相手側の担当者から、思ってもみない返答を得ました。
自分が去った後、当分の間、日本からの援助は入らないことが僕の帰国半年前に決定しました。
外国人専門家が事実上運営していた職場だったので、自分が帰国後は何とか自立して欲しい、その一心で活動を行っていました。しかし、思うようにカウンターパートへの技術移転が進まず、迎えてしまった活動最終日。2年間、自分は何しに来たのか、本当に現地の役に立ったのか、自責自問を繰り返し、後悔の念を一杯に荷物をまとめていました。すると、カウンターパートが後ろからおどおどしながら近づき、「ゆっくりでもいいんだよね。間違えてもやり直せばいいんだよね。自分たちでやっていけば」と問いかけてくれました。
「外国人専門家に頼るな。自分たちでやってみろ」、何度も彼らに浴びせた言葉です。
言われた方は気分がさぞかし悪かっただろうけど、理解してくれていたみたいでした。今までは外国人のペースで仕事をしていただけだったのかもしれません。人それぞれ仕事のやり方がありますもんね。